腰痛(ヘルニア・脊柱管狭窄症含む)

腰痛とは

腰痛とは腰の痛みをはじめ、腰の張り感や違和感、痺れなどが起こっている状態です。腰は上半身の重みなどがかかる部位ですので、慢性的に痛みが続きやすい箇所でもあります。また、腰そのものに起こる疾患だけでなく、他の部位の疾患の症状として、腰痛が現れるケースもあります。整形外科の疾患をはじめ、血管や消化器、泌尿器系疾患によって起こる可能性もあります。当院では腰痛を整形外科的な疾患だけでなく、他の部位の疾患の可能性も踏まえて診察しています。お悩みの方はぜひ、当院までお気軽にご相談ください。

腰(脊柱)に起こる疾患

脊柱管狭窄症や変形性脊椎症、変性すべり症など加齢によって起こるもの、腰椎分離症など成長に伴って起こるもの、脱臼や腰椎骨折などの外傷、化膿性脊椎炎やカリエスなど感染・炎症によるもの、生まれつきの異常や側弯症、椎間板ヘルニア、転移したがん疾患などが考えられます。

側弯症

脊椎側弯症とは、何らかの理由で左または右へ曲がってしまう状態です。何らかの疾患や痛みがないのに発症する「突発性側弯症」と、曲がった状態で生まれてくる「先天性側弯症」、何らかの疾患によって曲がる「症候性側弯症」が挙げられます。軽い側弯症でしたらほとんどの場合、痛みなどの身体的症状はみられず、左右の肩や腰の高さが異なるといった見た目の変化が現れます。重度になると椎間板が摩耗するため、加齢による脊柱疾患と同じような症状を伴います。

椎間板ヘルニア

椎間板とは、背骨の骨と骨の間にある、クッションのような役割を担う組織です。椎間板の一部が飛び出して圧迫することで、痛みや痺れ、機能障害などが現れる状態を「椎間板ヘルニア」といいます。特に腰椎椎間板ヘルニアは、腰への負担が大きい作業を続けている方に多く見られます。しかし、特別腰への負担が大きい作業をしていない方でも、発症する可能性はあります。20~30代の若年層やスポーツをする習慣がある方でも、発症リスクはゼロではありません。

脊柱管狭窄症

加齢などで腰椎の椎間板が変性することで、椎骨の形が変わってしまう疾患です。進行すると慢性的に腰痛が続いたり、関節が動かしにくくなったりして、症状が悪くなります。また、変形によって脊柱管が狭くなると、足の痺れや歩行困難といった症状もみられます。「休憩を挟まないと歩けない」「少し歩いただけで痛くなる」といった状態になる前から、レントゲンやMRIなどを受け、治療を始める必要があります。

腰以外の部位に起こる疾患

尿管結石などの泌尿器疾患や、解離性大動脈瘤(かいりせいだいどうみゃくりゅう)などの血管疾患、十二指腸潰瘍などの消化器疾患、股関節症など腰以外に起こる整形外科疾患、子宮筋腫などの婦人科疾患などが考えられます。また、精神的なストレスや統合失調症などの精神疾患などで、腰痛になるケースもあります。

女性だけに起こる腰痛

女性の場合は、生理や妊娠時に腰痛が起こることも少なくありません。特に生理の時は、下腹部痛だけでなく腰痛を伴うこともあります。また妊娠中はお腹が大きくなるため、上体を反らした姿勢で過ごす時間が増えることから、腰痛が起こりやすくなります。さらに、出産後も授乳などの育児・家事で、心身の負担も大きくなることから、腰痛が続きがちです。また更年期に入ると女性ホルモンが揺らぎながら減少するため、腰痛になりやすいとされています。

ぎっくり腰

「ぎっくり腰」とは、突然、激しく腰を痛める状態です。ちなみに、ぎっくり腰は診断名ではありません。重い物を持ち上げる瞬間や、腰をひねった動作を機に起こる傾向が強く、その痛みの種類は一人ひとり異なります。痛みは、関節や椎間板に負荷がかかった状態(捻挫や椎間板損傷)、腱や靭帯などの損傷などによって発生します。
大体1~2週間で改善されますが、痛みがなかなかひかない場合や下肢も痛む場合は、他の疾患が隠れている恐れがあるので、早めに受診しましょう。

腰痛の診断

問診ではお悩みの症状について丁寧にお聞きし、問診後に必要な検査を受けていただきます。検査結果を踏まえてから、一人ひとりの症状に合わせた治療法を提案します。治療方針は、患者様と一緒に話し合いながら決めていきます。
当院は血液検査や尿検査、レントゲン検査、超音波検査などに対応していますが、MRI検査やCT検査などの精密検査が必要な際は、連携先の高度医療機関へご紹介します。

当院の治療

まずは、薬物療法で痛みや炎症を軽減させます。運動療法では、腰周りの筋肉をほぐしてリラックスさせます。また、熱や電気、光の刺激を使った物理療法を通して、血行改善や筋肉の緊張を目指していきます。さらに、必要な方にはハイドロリリース(筋膜リリース)やトリガーポイント注射、装具療法なども提供しています。他にも、姿勢指導を通して首や肩への負担を減らしていくこともあります。

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